RNAdvance Cell v2 性能データ

真核培養細胞からの total RNA 抽出

RNAdvance Cell v2はSPRI磁性ビーズ技術を用いたRNA抽出試薬キットで、培養細胞株から高品質なRNAを抽出することができます。2mLチューブまたは96ウェルプレートでのマニュアル抽出実験、およびベックマン・コールターの自動分注機Biomekシリーズを用いた96ウェルプレートでの自動抽出処理が可能です。RNAdvance Cell v2で抽出したtotal RNAには、検出可能なDNAやその他のPCR阻害物質は含まれていません。

  • ゲノムDNAなどの夾雑物を効率よく除去
  • 培養細胞からの高品質total RNAの抽出により、遺伝子発現解析用の多数サンプル処理を実現

RNAdvance Cell v2 による抽出は高収量

RNAdvance Cell v2などの試薬キットを用いて、MRC-5細胞からRNAを抽出しました。Figure 1では、Thermo Fisher Nanodropを用いてRNAを定量しました。RNAdvance Cell v2を使用した場合、他の試薬キットと比較して、より多くのRNAを抽出することができました。Figure 2では、Thermo Fisher Nanodropを用いてサンプルの純度を確認しました。MRC-5の場合、RNAdvance Cell v2ではA260/280の値が十分なRNAが抽出されました。

Genomics RNAdvance Cells Yield and Purity

さまざまな細胞株からRIN平均9.8の分解の少ないRNA抽出

RNAdvance Cell v2を用いて、MRC-5, ACHN, HCT116, PANC1 5万cellsからRNAを抽出しました。サンプルは、Thermo Fisher Scientific NanoDropを用いてRNA定量し、純度を確認しました。RNA収量は細胞株により差がありましたが、RNAの品質はすべての細胞株でA260/280値は十分な範囲内でした。

Cell Type Yield (µg) A260/A280
MRC-5 1.8 2.02
ACHN 0.5 1.98
HCT116 0.3 2.00
PANC1 1.0 1.93

RNAdvance Cell v2は高品質なRNAを抽出します。MRC-5, ACHN, HCT116, PANC1細胞から抽出したtotal RNAとuniversal human reference RNA (UHR; Agilent) をAgilent RNA ScreentTapeで測定し、分解程度を評価しました。Figure 3では、RNAdvance Cell v2で抽出した全てのサンプルのRIN値≧9.4であり、分解の少ないなRNAが抽出されたことを示しています。Figure 4は、MRC-5細胞から抽出したRNAのトレースで、泳動図の最初のレーンに対応しており、18sおよび28s rRNAのピークがきれいに出ています。

Genomics RNAdvance Cells RIN Scores

 

ゲノムDNAやPCR阻害物質の効率的な除去により、qRT-PCRでは高品質な結果を取得

Genomics RNAdvance Cells Amplification

Genomics RNAdvance Cells qRT PCR Amplifiabilityβアクチン遺伝子(ActB)のエクソン4と5にまたがるように設計されたプライマーセット(Forward: 5´-ggacttcgagcaagatgg-3´; Reverse: 5´-agcactgtgttggcgtacag-3´)を用いた327bpのアンプリコンを生じるqRT-PCRで評価を行いました。Figure 5の逆転写反応なしのコントロールが、下流のRNAアプリケーションに影響を及ぼす可能性のあるDNAの除去を示しています。Figure 6では、RNAdvance Cell v2を用いて4つの細胞株から抽出したRNAが良好に増幅を示したことから、PCR阻害物質を十分に除去していることがわかります。Figure 7では、RNAdvance Cell v2と他の3種類の試薬キットを用いてACHN細胞から抽出したRNAを、逆転写を行った場合と行わなかった場合でqRT-PCRを行っています。RNAdvance Cell v2、試薬キットA, BではDNAが十分に除去されていましたが、試薬キットCでは逆転写あり/なしで同等の増幅が見られ、抽出RNAへのDNAの残留が示唆されました。

RNAdvance Cell v2 ワークフロー

Genomics RNAdvance Cell v2 Workflow

  1. LysisバッファーとProteinase Kで組織を溶解する。
  2. 核酸を磁性ビーズに結合させる。
  3. 磁性ビーズと夾雑物を磁力で分離する。
  4. 磁性ビーズをWashバッファーと70%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
  5. DNase I処理をする。
  6. WashバッファーでRNAを磁性ビーズに再結合させる。
  7. 磁性ビーズを70%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
  8. 磁性ビーズからRNAを溶出させる。
  9. RNAを新しいプレートに移す。

カラム式キットと比べて、少ないピペット操作回数かつ短時間でRNA抽出が可能

Genomics RNAdvance Cells Total Time and Pipette Mixing

Figure 8はRNAdvance Cell v2またはカラム式キットを用いたときの、1~96サンプルのRNAを抽出時間を示しています。30サンプルの場合、RNAdvance Cell v2の方が短時間で抽出可能でした。Figure 9は、1, 8, 24, 48, 96サンプルの場合に必要な、サンプル分注・混合・チップ廃棄を含むピペット操作回数を示しています。マルチチャネルピペットを使用できるため、カラムベース式キットと比較して必要なピペット操作回数が大幅に減少しています。

バッチサイズやスループットに応じて、手動実験と自動処理を選ぶことができます

8, 24, 48, 96サンプルのRNA抽出を行うために必要な手作業時間と合計時間(hour)を表に示します。自動抽出処理はBiomek i7 Hybridで行い、手動実験と自動処理の違いを示しています(NR = 推奨されない処理)。

RNAdvance Cell v2 Manual Automated
Batch Size 8 Hands-on-Time 0.25 0.25
Total Time 1.15 2.43
24 Hands-on-Time 0.25 0.25
Total Time 1.30 2.50
48 Hands-on-Time NR 0.50
Total Time NR 2.86
96 Hands-on-Time NR 0.50
Total Time NR 3.08

 

製品モデル

RNAdvance Cell v2は、スループットに合わせて2種類の製品を用意しています。表の製品番号をクリックして、お見積もりをご依頼ください。詳細についてはRNAdvance Cell v2のページをご覧ください。

PART # NAME PREPS
A47942 RNAdvance Cell v2 Kit 100
A47943 RNAdvance Cell v2 Kit 960

 

 

病気などの診断に使用することを意図したものではなく、また検証されたものでもありません。
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