生物学研究におけるDNAシーケンスの用途は拡大しており、この成長の大きな原動力となっているのは次世代シーケンス（NGS）です。NGSは最新のDNAシーケンス技術であり、人間をはじめ、多くの動物、植物、微生物のゲノムの完全な解読を可能にします。

NGSは、迅速性、信頼性、費用対効果に優れていますが、これらの利点はサンプルDNAの品質に左右されます。シーケンス初期工程で品質および効率が悪い場合、後になって再実験や追加コストが生じることになります。DNAシーケンスによって、医薬品の開発、試験、製造、あるいは危険なウイルスや伝染病の追跡や封じ込めを行う場合、上流工程での不確実な要因が最終的な結果に影響を与えるようなことがあってはなりません。

DNA精製試薬キットは、NGSにおいて上流工程における効率や品質に影響するだけでなく、最終結果にも重大な影響を及ぼします。性能、品質、効率の悪い安価な試薬キットを使ってコストを僅かに下げるために、DNAシーケンス作業全体や最終結果までも危険にさらす価値がないのは明らかです。

そのため、NGSプロジェクトを開始、あるいは他の精製試薬キットへの変更を検討するときには、その精製性能を他の試薬キットと比較することが非常に重要となります。精製試薬キットのコストは１つの要因とはなりますが、安価な製品に変更したからといって、必ずしも有利になるとは限らず、好ましくない結果を招くこともあります。

 

１．収量

最もわかりやすいのが収量で、精製後のDNA量を精製前のDNA量で割った値に100％をかけたものです。最適な品質と効率を得るためには、収率は80％から95％の間であることが望ましいと考えられます。収量が低い場合、最終的なデータの質が低下する可能性があります。すべての精製試薬キットが高い収率であるわけではありません（Figure 1 参照）。

２．純度

高品質なDNAは、A260/A280比が1.8以上であるとされています。これより低い場合は、タンパク質が混入している可能性があります。同様に、A260/A230比が2.0未満の場合は、その他の混入物質があることを示しています。

３．時間

時間は貴重なリソースです。精製にかかる時間が30分と45分では（Figure 2 参照）、ライブラリ調製での精製工程の回数が増えるたびに、所要時間差が大きくなります。例えば、精製工程が3回ある場合には、1.5時間と2.25時間という差になります。この差は、NGSをルーチンで行う場合さらに大きく拡がります。

４．サイズセレクション性能

DNA断片サイズの均一性は、DNAシーケンスの品質と効率の両方に影響します。NGSライブラリ調製で断片の両末端にアダプターを付加する際に、全体のライブラリサイズを適切に制御する必要があります。試薬とサンプルの結合比を様々な変化させて使用しても、DNA断片サイズの収量が高く保たれ、かつ適切なサイズのライブラリが得られることです（Figure 3 のAMPure XPのグラフを参照）。これは、別の精製試薬キットへの変更を検討している場合に重要な要素となります。下のグラフは、ピークの高さと回収率の相対的な違いを示しています（Figure 3）。

5．切り替えリスク

上述のように、試薬とサンプルの結合比が異なる精製試薬キットで、異なるDNA断片サイズが回収されてしまう問題は、他の試薬キットに変更することのリスクの一つです。他にも：

• 新しい精製試薬キットの評価に必要な時間と労力
• 新しいキットが元のキットよりも性能が悪かった場合、シーケンスをやり直さなければならないリスク
• NGSライブラリーキットメーカーが推奨していない精製試薬キットを使用した場合、サポートを受けられなくなるケース 

結論

安価なDNA精製試薬キットは性能が低く、NGSの最終的な結果に良くない影響を与える可能性があります。時間の浪費、効率の低下、不完全な結果などのリスクがあります。

対してAMPure XPは、DNAシーケンスを行う企業や学術組織にとって重要な点である、製造品質、ロット間差の低減、納期遵守を重視しています。

AMPure XPは、ライブラリ調製キットメーカー215社から唯一の精製試薬キットとして推奨されています。また、Google Scholarの21,000以上の論文に引用されています。

AMPure XPを精製試薬キットとして使用することでシーケンスプロジェクトを軌道に乗せ、最良の結果を出し続けることができます。

 

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